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バツをつけることへの免罪符

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

陽塾では、授業中に行う小テストの採点は相互採点(隣の子と答案を交換してお互いに採点する方式)をさせることが多いのですが、わたしはいつも「厳しく採点してあげなさい」と指示しています。
漢字間違いは当然バツですし、漢字で習ったことをひらがなで書いていたり、たとえば「a」か「u」か分かりにくい文字を書いていてもバツにしなさいと言います。
甘く採点して隣の子が間違えたまま覚えてしまうと大変だからです。

しかし、子どもたちの多くはそこまで厳しく採点しません。
さすがに漢字間違いならバツにしますが、漢字で習ったことをひらがなで書いている場合や紛らわしい文字を書いている場合は、マルにしてしまうこともあります。
細かい間違いに気づかずにマルにしてしまう場合もあるのですが、間違いに気づいていても何となくマルにしてしまう場合も多いものです。

それは、隣の子に「セコい奴」と思われたくない気持ちがあるからです。

細かなところをチェックして厳しく採点してしまうと、「問題には漢字指定はないし、ひらがなでも合ってるやん」とか、「これは『a』のつもりで書いた。それくらい察してくれよ」などと思われてしまうのではないか、と思うのです。
優しくないと思われ、ひいては今後自分が同じ間違いをしたときに、細かくチェックされてバツにされてしまうのが怖いのです。

この気持ちはよく分かります。わたしでも生徒ならそうすると思います。

これを防ぐにはどうするか。
わたしは相互採点をさせるときは、必ず「迷ったら先生に聞いてください」と言っています。
そうすると採点者は、勝手にバツをつけてしまうと「セコい」と思われそうな微妙な解答を教師に聞いてくれるようになります。
教師はその場で答案を見て「それはバツ」「それはマル」と判断します。
そうすれば採点者は教師のお墨付きを得られたわけで、バツにしても「セコい奴」と思われずに済むのです。

クラス全体がきっちりと厳格に採点できるようになるには、子どもたちの意識の向上と子どもどうしの信頼関係の醸成が必要で、なかなか時間がかかることです。
教師が見て判断してあげることは、バツにするということへのいわば免罪符になるのです。

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