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例題の数値

こんにちは。奈良県の広陵町にある陽塾の代表・原田基生です。

数学で、計算が正確にできているかあやしい子がいたとします。
わたしは、その子の状態をチェックするのに、個別対応をしているときに即興で例題を出します。
例題を紙に書いて「これ解いてみて」と差し出し、子どもが解いている様子を見て、どこでつまづいているかを確認するのです。

即興で例題を出すので、問題の数値はその場で設定します。どんな数値でもよさそうですが、実はこの数値を選ぶのにもちょっとした工夫が必要です。

例えば、中1の1次方程式の計算をチェックするときに、以下の2つの問題のどちらがよいでしょうか。
(1) 2x=4
(2) 2x=6

右辺の数字が4か6かの違いだけです。
どちらの問題も、両辺を2でわって答えを出します。
(1)の答えは x=2
(2)の答えは x=3

一見、どちらも同じように思いますが、実は(1)の例題は「悪問」なのです。

計算がしっかりと定着していない子は、xの前についている2を「移項」してしまう場合があります。
つまり、(1)の問題を
2x=4
x=4―2
x=2
と考えて解いてしまうのです。
(1)の問題が「悪問」である理由は、この間違った計算でも、答えはたまたま正しいx=2になってしまうことなのです。

(2)ならば、この「移項」をしてしまうと、答えはx=4になります。
子どもが出す答えを見て、x=3ならOK。x=4ならば「両辺をわる」ことと「移項」とを混同してしまっていることを予測できます。

教師には、ちょっとした例題の数値にも工夫することが求められるのです。

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